内耳性難聴に対する疾患iPS創薬研究

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研究担当者

藤岡 正人・細谷 誠・鈴木 法臣・松崎 佐栄子・大石 直樹・吉田 朝子・佐伯 翼・小川 郁

研究内容

外界からの音を神経活動へと変換する「蝸牛」を含む「内耳」は側頭胞を採取することはできない。そのため内耳性難聴が進行していく細胞レベルでの過程は直接観察できず、治療法開発が難航する原因となっている我々は内耳性難聴の治療標的および新規治療法探索を最終目標に、まずは単一遺伝子を原因とする遺伝性両側進行性感音難聴の患者から疾患特異的iPS細胞を樹立、内耳細胞へ誘導して解析することにより、病態の解明と治療法の探索を行っている。この手法だと齧歯類モデル(遺伝子改変マウスなど)で病態が再現できないような疾患でも解析可能である。

我々はこれまでにPendred症候群/DFNB4の患者から疾患iPS細胞を樹立し、少なくとも3つのミスセンス変異例において、本症候群がイオンチャネル障害によらない「内耳細胞変性疾患」であること、さらにこの病態には異常タンパクの凝集を伴うことを突き止めた。この新規病態生理の発見をもとに既存薬スクリーニングを行い、現在までに3つの治療薬候補を見出している(Hosoya et al, Cell Reports 2017)。

このほかにも我々は内耳有毛細胞障害や有毛細胞死など、難聴の原因として多角的な視点からさまざまな遺伝性難聴を検討し、疾患iPS創薬を展開している。

学外共同研究者

松永 達雄(東京医療センター)
岡野 James洋尚、栗原 渉(東京慈恵医科大学)
宇佐美 真一、西尾 信哉(信州大学)
北尻 真一郎、大西 弘恵、水越 彬文、中川 隆之(京都大学)
岡野 栄之(慶應生理学)
竹田 大樹、蓑田涼生(熊本大学)

発表論文

Cochlear cell modeling using disease-specific iPSCs unveils a degenerative phenotype and suggests treatments for congenital progressive hearing loss. Cell Reports 18, 1–14, January 3, 2017

サポートを受けている研究費

JSPS科研費 JP24592560・JP15H04991・JP15K15624・JP26・5202、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)長寿・障害総合研究事業、障害者対策総合研究開発事業、再生医療実用化研究事業、難治性疾患実用化研究事業、疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究、平成28年度革新的医療技術創出拠点プロジェクト橋渡し研究加速ネットワークプログラム事業補助金(慶應義塾大学拠点 シーズA163)、公益財団法人 武田科学振興財団、慶應医師会 医学研究助成金、国立病院機構共同臨床研究【NHOネットワーク共同研究】

関連知財

”内耳細胞誘導法(特開2015-231365)”
"内耳性難聴治療薬(PCT/JP2016/050861) "

募集事項

本研究チームではiPS細胞研究や難聴研究に興味のあるポスドクを随時募集中です。やる気と興味のある方、是非ご連絡ください。

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