蝸牛培養細胞における小胞体ストレス応答

印刷ボタン

研究担当者

大石 直樹・藤岡 正人・鈴木 法臣

研究内容

小胞体ストレスは異常タンパクが小胞体に蓄積することで細胞死を引き起こす致死的ストレスの一種である。小胞体はタンパク質を正常におりたたむ過程を担う重要な細胞内小器官である。小胞体内でのタンパク質折りたたみ機構の恒常性の維持は細胞の生存のために必須であるが、感染や炎症などの影響を受け、細胞内に異常な構造タンパク質が蓄積してしまう状態を小胞体ストレスと呼ぶ(図1)。異常タンパク質を処理し、恒常性を維持するための細胞内機構として、小胞体ストレス応答が存在することがいままで明らかとなってきており、小胞体ストレス応答の破たんにより、アポトーシスが誘導される。

研究代表者の大石はマウスへのゲンタマイシン局所投与による薬剤性難聴モデルで、蝸牛ラセン神経節細胞死に小胞体ストレスが関与することを明らかにした (Oishi et al, Cell Death Dis 6:e1763. 2015)。その他、他施設からの報告では、小胞体ストレス誘導剤の蝸牛内投与が有毛細胞死を引き起こし(J Pharmacol Sci, 2012)、またアセトアミノフェン長期投与による聴覚障害の発生機序に小胞体ストレスが関与する (Hear Res, 2014)ことなどが示され、小胞体ストレスは感音難聴発症の一つの機序である可能性が高く、より詳細な検討が必要と考えられる。

図1小胞体ストレス pathway

サポートを受けている研究費

基盤研究C

page topへ