喉頭腫瘍の治療後音声に関する検討

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研究担当者

甲能 武幸・此枝 生恵・富永 健裕

研究内容

喉頭腫瘍の病態は多岐に渡るが、外科的治療が治療の第一選択となることも多い。その際、病変の確実な制御を目的とした広範囲に及ぶ徹底的な処置は、組織の損傷に伴う不必要な音声機能の悪化につながることもあり、機能面に配慮した慎重な治療を心掛ける必要がある。近年、レーザー技術や手術器具の進歩などにより、より微細な術操作が可能となってきた。
早期声門癌に対しては、焦点を絞った低出力のCO2レーザーを用い、マイクロフラップという手技を併用して腫瘍の“切除”を行う事で、病変部以外の熱損傷を避けている(図1)。
乳頭腫に対しては、基本的には粘膜上皮に病変が存在することから、焦点を広げたCO2レーザーを用い、薄く腫瘍を“蒸散”させている(図2)。
声帯白板症に関しては、検体を採取して正確な組織診断を付けることも目的としていることから、病変の存在する粘膜上皮下に生理食塩水を注入し、病変の浮き上がらせて、マイクロフラップ手技を併用して一塊に切除するように心がけている(図3)。
上記手技により、病変制御に関してはいずれも良好な結果を残している。
音声機能に関しては、多面的評価として、聴覚心理的評価、喉頭ストロボスコピー所見、空気力学的検査、音響分析、自覚的音声QOL質問票による評価を経時的に行い、治療前との比較や健常者との比較を行う事で、治療後音声機能の実情を検討している。

図1図1

図2図2

図3図3

図表出典

  • 図1  Kono T, Saito K, Yabe H, Uno K, Ogawa K. ‘Comparative multidimensional assessment of laryngeal function and quality of life after radiotherapy and laser surgery for early glottic cancer.’ Head Neck. 2016 Jul;38(7):1085-90.
  • 図2  Kono T, Yabe H, Uno K, Saito K, Ogawa K. ‘Multidimensional vocal assessment after laser treatment for recurrent respiratory papillomatosis.’ Laryngoscope. 2016 Aug 12. doi: 10.1002/lary.26210. [Epub ahead of print]
  • 図3 Kono T, Saito K, Yabe H, Ogawa K. ‘Phonosurgical resection using submucosal infusion technique for precancerous laryngeal leukoplakia.’ Laryngoscope. 2017 Jan;127(1):153-158.

学外共同研究者

  • 齋藤 康一郎(杏林大学耳鼻咽喉科)
  • 矢部 はる奈(川崎市立井田病院)
  • 宇野 光祐(防衛医科大学耳鼻咽喉科)

発表論文

  • 1. Kono T, Saito K, Yabe H, Uno K, Ogawa K. ‘Comparative multidimensional assessment of laryngeal function and quality of life after radiotherapy and laser surgery for early glottic cancer.’ Head Neck. 2016 Jul;38(7):1085-90.
  • 2. Kono T, Saito K, Yabe H, Ogawa K. ‘Phonosurgical resection using submucosal infusion technique for precancerous laryngeal leukoplakia.’ Laryngoscope. 2017 Jan;127(1):153-158.
  • 3. Kono T, Yabe H, Uno K, Saito K, Ogawa K. ‘Multidimensional vocal assessment after laser treatment for recurrent respiratory papillomatosis.’ Laryngoscope. 2016 Aug 12. doi: 10.1002/lary.26210. [Epub ahead of print]
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